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「私は株で200万ドル儲けた」ニコラス・ダーバス著、面白かった。

目次

 

良書!

 

結構有名な本です。株取引には縁のなかったダンサーが、株式投資で大成功を納めるまでの成長と実際の売買記録が書かれています。

ニコラス・ダーバスがひょんなことからは株式投資の世界に足を踏み入れ、ビギナーズラックで調子に乗り、何度も損失を出し、葛藤し、破産の危機を乗り越え、そしてついには当時の金額で200万ドル(現在の金額ではどれくらいに相当するのだろう?)を稼ぐまでがノンフィクション調で書かれており、ハラハラドキドキしなが一気に読んでしまいました。

難しい専門用語もなくページ数も多くないので、気軽に読める割には考えさせられることが多い良書だと思います。コスパがいいです。

 

 

ニューヨークの株取引所のことも知らないダンサー、株式投資をする

 

ダンサーとして活躍していたダーバスは、ある時に出演料を株式で支払いたい、という提案を受け、それをきっかけに株式投資に関心を持ちました。

ビギナーズラックで稼いだこともあり、本格的にのめり込むことになりました。

 

ニューヨークの株式取引所のことも知らず、株価のチャートすらもろくに見たことがない上に、取引手数料や税金についても無知だったダーバス。

やはり上手くいかずに損失を出し、右往左往してばかりでした。

 

初めは、ブローカーや投資顧問、投資情報誌など外部の情報にばかり頼り、自ら真剣に考え主体的に取引に向き合うということをしていませんでした。

しかし外部情報に振り回されつつも、試行錯誤して経験を積む中で、従うべき取引ルールが出来上がっていきます。外部情報にも以前ほどに重きを置かなくなって行きます。

 

ダーバスのように外部情報に振り回されるというのは、多くの投資家が経験することだと思います。

初心者の内は何をどうして良いのかが分からずに、自分の外のどこかに、有用な情報を握っている人物や「聖杯」「隠れた真理」が存在し、それを見つけ出すことが成功につながる、と思ってしまいがちなんですよね。

 

ファンダメンタルズ分析を学ぶ。破産の危機に!

 

さて、そのダーバスの取引ルールの中に、ファンダメンタルズを重視するというのがありました。これは買ったのを忘れ放置していたバージニアン鉄道という会社の株が上昇し、調べてみたら、その会社のファンダメンタルズが優良に思われたからです。

そこで、ファンダメンタルズ分析に基づき自信満々で投資してみるも、買った株は下落、破産の危機に!

まさにその時に、テキサスガルフ・プロデューシングという会社の株式が目につきました。株価が上昇しているというだけで、会社のファンダメンタルズなど何も知らない状態でした。

結局はこの株式で利益を得ることに成功し破産の危機を脱することができました。

 

この経験でダーバスは大切なことを学んだようです。 

 

「企業の業績報告書を検討したり、業界展望や格付け、株価収益率を研究したりすることに、どれほどの価値があるのか」ー。わたしを窮地から救ってくれたのは、まったく知らない会社の株だった。わたしがそれを選んだのは、その株がずっと上がり続けるように思えたという、ただそれだけの理由だった。

 

引用元:私は株で200万ドル儲けた(PanRolling Library 16)、第3章 最初の危機

 

テクニカル分析~「ボックス理論」、そして「テクノ・ファンダメンタリスト理論」へ!

 

ダーバスはテクニカル分析を重視するようになりました。

注意を価格と出来高のみに向け、うわさや 秘密情報、ファンダメンタルズに関する情報はすべて無視するようにした。価格が上昇しても、その裏にある理由を詮索するのはやめようと決意した。

 

引用元:同上、第4章 ボックス理論の開発      

 

現代にもファンダメンタルズ分析を軽視もしくは全く気にせずに、テクニカル・チャート分析だけで収益を上げ続けている投資家、トレーダーは都市伝説ではなくて確かに存在します。

ダーバスはさらに洞察を深め、「ボックス理論」を形成します。このボックス理論こそが、彼の大成功の基礎になります。

 

その後も思索と取引を続けたダーバスですが、株式市場は弱気相場に入りました。

何週間も株式を保有せずにじっと株価を注視し続け、ある時、弱気相場の中でも底堅い動きを見せる銘柄があることに気づきました。

その銘柄の会社のことを調べる内に、ついにダーバスは投資理論の根幹「テクノ・ファンダメンタリスト理論」に到りました。

~(省略)テクニカル分析とファンダメンタル分析のそれぞれの手法を結合する必要があると考えた。銘柄の選択は市場におけるテクニカルな動きに基づくが、その銘柄を買うのはファンダメンタルズを根拠にして収益性の改善が認められる場合に限ることにしようと考えた。

 これが、わたしがテクノ・ファンダメンタリスト理論に到達するに到った経緯であり、この理論は今日でも使用している。

 

引用元:同上、第6章 小型の弱気相場

 

ダーバスはこの理論を元に、もう一度破産の危機を経験しながらも、ついには株式投資家の歴史に残る大成功を達成しました。

 

詳しくは本書で。

本書には「付録」の部分もあり、実際のダーバスの売買が株価チャートつきで解説されています。読者の理解を深めてくれます。

 

ダーバスの取引手法に関して。トレンドフォロー、モメンタム戦略?

 

ダーバスの取引手法は、大雑把に言うと、スクリーニング(株式銘柄の絞り込み)の基準には成長株であるというのと出来高を重視する、モメンタム戦略なのでしょう。

モメンタム(勢い)の強さに乗っかり、高値追随でエントリーするトレンドフォロー(CTA、マネージド・フューチャーズ)戦略だと言えると思います。

 

モメンタムが強い時にはとても有効です。モメンタムを判定するのにいろいろと方法があるんでしょうが、モメンタムのある株価推移というのは結果的には(後から見れば)分かり易いトレンドを描きます。

もっといい例があると思うんですが、米グーグル株の月足と日本のレーザーテック株(6920)の日足です。

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左、グーグル株(月足) 右、レーザーテック(6920)

 月足チャート、週足、日足、時間足、分足のうちのどれを重視するかは、投資家やトレーダー様々ですが、モメンタムが強ければ明確なトレンド相場になり、高値追随のトレンドフォローが効果的です。

 

しかし後から見れば結果的にはモメンタムが強くトレンド相場であったということが言えますが、予知能力でもない限り事前に確実なことは言えません。

ダーバスは、スクリーニングで成長株と出来高を重視、あとは損切り(損失・リスク管理)で対応していました。

 

注意点としては、このようなモメンタム、トレンドフォロー戦略は、市場にモメンタムがない時、トレンドがはっきりしない膠着相場の時には有効に作用しないということです。

そのような時には高値更新で買うたびに損切り、というのが繰り返されます。

ダーバスは弱気相場では手を出しませんでした。

地合い・環境認識、相場観というのが重要になります。

 

ダーバスの手法を学び活用したいと思う方に、さらにオススメの本があります。

1勝4敗でもしっかり儲ける新高値ブレイク投資術 DUKE。著 東洋経済新報社」です。

 

 

この本はダーバスの手法を解説したものではありません。DUKE。氏による株式投資法です。しかしダーバスの手法を役立てたいと思う人にとっても、刺激的な本だと思います。

テクニカル分析に併せて、ダーバスの本では不足しがちなファンダメンタルズ分析についてもしっかりと解説されています。ズバリ、オススメです。

 

 

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